笑顔・子育て・医療と介護でまちづくり 自見はなこ

参議院「国民生活・経済に関する調査会」で質問を行いました

私は、国民生活・経済・社会保障の課題について、学識経験者や専門家を参考人として招き、意見を聞きながら深い議論を交わすことのできる参議院 「  国民生活・経済に関する調査会」に所属しております。

2月15日、当調査会で「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のテーマのもと、経済・ 生活不安の解消(社会保障分野における格差の現状と課題等)について参考人慶應義塾大学教授駒村康平先生、東京大学准教授熊谷晋一郎先生及び聖学院大学人間福祉学部客員准教授 藤田孝典先生から貴重な意見をお聞きした後、質問を行いました。

子どもや高齢者の貧困問題について拝聴し、社会のセイフティネットとして機能している国民皆保険を守りたいという、政治の道を志した原点を再認識いたしました。現状の日本では、税による所得再分配よりも社会保障による再分配機能が大きいとされています。正社員や非正規社員の経済的な格差や世代間格差などについて参考人から現代社会への警鐘を受け、一議員として社会保障制度や再分配機能の強化等により、支援、改善に努めていかなければならないと決意を新たにいたしました。

質疑の動画はこちらからご覧になれます。私の発言は1:07くらいからです。

2月15日 国民生活・経済に関する調査会(動画)

参議院 国民生活・経済に関する調査会-2017年2月15日(PDF)

 

ST1_5307-12_original

kokumin 

 

<以下質問箇所全文>

○自見はなこ君 ありがとうございます。本日は、国民生活・経済に関する調査会にて質問する機会を頂戴いたしましたことを心から感謝申し上げます。参議院の自見はなこでございます。よろしくお願いいたします。
まず初めに私の所感を述べさせていただいた後に質問に入りたいと思います。
私は、去年の七月の参議院選挙で、全国比例区で当選をさせていただきました。三人の先生方のそれぞれの立場からのお話を今拝見しながら、自分自身がなぜ政治を志したかということの原点を改めて思い出させていただくような、すばらしいそれぞれの先生の内容であったと思っております。
私自身は、選挙に出るまでは実は小児科の医師でありました。実は今日で四十一歳になりましたけれども、私が政治を志すことを決めたのは三十八歳の頃でありました。それまで私は一小児科の勤務医として働いておりましたけれども、実は突然掛かってきた医療の国際電話での相談というものがきっかけになって私は政治の道を志すことを決めております。
それは、当時私が働いておりました虎の門病院の小児科での当直の日のある晩の出来事であります。一件の電話相談がアメリカから掛かってまいりました。それはお母様からの電話、小児科でございますので、お母様からの電話相談でありました。お母様がおっしゃるには、自分に十二歳の一人の女の子がいて、一週間東京でホームステイをしている。その子がおなかが痛くなってしまって、泣いてお母さんに国際電話で相談をしてきた。お母さんは大変心配になって、一体どうしたらいいんでしょうかということで電話相談をしてきたというのが私が受け取った電話でありました。
お話を聞いておりますと、幸いにもお嬢様の症状というものが本当に軽いおなかの風邪、胃腸炎の初期の症状かなと思われましたので、日本であれば誰もが当たり前にするように、こうやって水分摂取をしたらよろしいんじゃないでしょうかとか、あるいはこんなふうな症状が出てきたらすぐに病院にかかってくださいねという、日本であれば当たり前のいわゆる電話相談というものをさせていただきました。
ところが、その電話相談が終わりましたときに、実はお母様が電話の向こう側で本当に大きな声で号泣されました。私が大変驚いて、一体どうされましたかとお母様にお伺いしたときにおっしゃった一言というものが私のある意味でいえば人生を変えたわけですけれども、そのときの一言というのが、私の国の私の入っている民間の医療保険では私は直接医者と話すことすら許されていないのに、日本ではこうやって医者とも話すことができて、かつ夜中に受診してもいいよと言われるなんて、何ていい国なんでしょう、ゴッド・ブレス・ジャパンと言って本当においおいと泣き続けられました。そのことが私はきっかけとなっております。
それまで留学経験もございましたし、頭の中では国民皆保険というものがいかに大事かということを分かっているつもりでございましたけれども、改めて、医療がビジネスである国ではこんな思いを人々が抱きながら生きているんだ、そして、日本ではこの国民皆保険というものがやはり政治で守られているということは知っておりましたので、私も本当に、一小児科の勤務医ではありましたけれども、この国民皆保険がない国になってしまった場合に、恐らく医療従事者である私たちがこの悲惨な状況というものに耐えられないだろうという思いで、これは守っていきたいという思いで私自身は政治の世界に飛び込んでおります。
本日は、それぞれの参考人の先生方が御指摘を下さいました。貧困というものは大変大きな社会問題であると私も思っております。特に、最近は四百万から七百万円の所得の層というものが一気に落ち込んでまいりまして、残念ながら所得の二極分化というものが明らかに日本でもなっております。その中で、子供の六人に一人は貧困にあえいでいるという状況の中で、子供食堂を民間の基金を活用してですとかいう流れは、私自身は私たちの国の在り方としてはいま一度立ち止まって考えるべき課題ではないかなと思っております。
また、参考人の先生の藤田先生からも御指摘ございましたように、子供を持ちたい世帯というものが実は、もちろん二十代、三十代の特に結婚して五年以内の世帯には多うございますけれども、その中の八三%の世帯の方々が経済的な理由というものを挙げて子供が持てないというのが実情であると思っております。
私自身はいわゆる大きな政府論者でありまして、この所得の再分配というものを強化していくこと、そして次世代に投資をしていくことというのが今の日本にとって最も求められているものではないかなというふうに思っております。
質問に移りたいと思っておりますけれども、私は、様々な考えがあるとは思いますけれども、行き過ぎたというあえて形容詞を付けさせていただきますけれども、行き過ぎたグローバリゼーションですとかあるいは新自由主義というものが私は多くの人々を幸せにするかどうかということに関しては大変疑問を感じております。
本日は大変貴重な機会でございますので、それぞれのお立場から、まずグローバリゼーションの本質というものは何だとお考えかということと、それから、格差とこのグローバリゼーションということを結び付けて考えるということが最近よく新聞の論調でも出てきておりますが、それについてのお考えと、そして、この格差社会というものが今あるとするとすれば、それのスタート、きっかけは一体どこに日本社会の場合はあったかと、この三点について、まずそれぞれのお立場から御意見をお伺いできたらと思います。
○会長(川田龍平君) では、まず駒村参考人。
○参考人(駒村康平君) では、今の三つの御質問についてお答えしたいと思います。
私の資料でも、今のグローバリゼーションの話は象の姿、象の姿というパワーポイントを使わせていただきました、二十四ページ。
グローバリゼーションについては、経済学者は、世界全体で見れば世界全体の中での格差は縮まっているんじゃないかという言い方をしています。つまり、新興国の人の所得が上がっているから、それは一つの成果であると。ただ、一方では、国の政治というのは国家単位で意思決定、民主主義の意思決定行われますので、この中間層がグローバリゼーションの結果埋没していくということは、当然不安定な状態になってくる、政治が不安定になってくる。これが今、トランプ現象なりUKの、あのイギリスの離脱の問題なんかにもつながっていると思います。
グローバリゼーションをやる一方で、当然多くの国もそれを心掛けてきたわけですけれども、再分配政策を同時に強化すると。つまり、グローバリゼーションを進めたければ再分配政策をやらないと、付いていけない人が政治を通じてそのグローバリゼーションそのものを潰してしまうというのが今起きている状態だと思いますので、そういう意味では、アメリカは、イギリスにしても、グローバリゼーションの二極の、二つの車輪である再分配の強化が非常に甘かったということが言えるんではないかと思います。データを見る限りは、グローバリゼーションをやっている国は大きな政府を目指しているという傾向はあったんですけれども、不十分だったという理解をしています。これが最初の二つの答えになるかと思います。
三つ目は、日本の場合はやはり九〇年代前半のバブル崩壊が大きな影響だったと思います。先ほど藤田さんがお話ししたように日本型雇用システム、つまり、いいか悪いかは別にしても、一つの企業で働いて年功賃金で保障して住宅も買えるような、子供を学校に行かせるような社会モデルがあったと。残念ながら、それと引換えに、結婚した女性は早く家に戻ると、こういうシステムが起動していたわけですけれども、肝腎要の年功給あるいは企業福祉がどんと落ちた、そして非正規労働者が増えたと。それを補うように本来は社会保障が出てこなければいけなかったわけなんですけれども、財政状況が非常に悪かったためにそこを補えなかったということで、今の状況が起きているのではないかと思います。
以上です。
○参考人(熊谷晋一郎君) 私は完全に専門外で、門外漢なもので、うまく答えられる自信は全くないんですが、少し、私のきっと役割だと思うので、障害に関連した部分でお話しできることをお話ししようと思うんですが。
今回、能力主義ですとか優生思想というものが昨今障害者に対して大きなプレッシャーとしてのしかかっていて、その背景には、やはりそういった優生思想や能力主義がはびこる土壌というものがあるんだろうと思います。その最たるものが恐らく分配の仕方、もう既におっしゃっている生産物に比例した形で分配する貢献原則と、それから必要に応じて分配する必要原則の割合が、後者の必要原則を担う担い手というのは国家がその担い手なわけですけれども、グローバリゼーションというのは、その国家の力がある意味では弱まって、グローバル企業というものが力を持ち始めて、それと比例して、もしも分配の仕方も割合として貢献原則にウエートが強まっていくとすると、そういった能力主義あるいは優生思想というものがはびこる、それがひいては障害者の尊厳を傷つけるというようなことが今起きているんではないかなというふうには観測しています。
日本に関して、格差のきっかけ、これは全くちょっと私も素人なので分からないんですが、私の周辺では発達障害という概念が、急に人数が増えた時期というのがおおよそバブル崩壊以降なんですよね。その発達障害と呼ばれてラベリングを貼られてやってくる、当事者研究の場にやってくる方の多くはかつては健常とされていた人で、恐らくメンバーシップ型の雇用の中で包摂されていた人なんだと思うんですね。そういった人々が今急速に社会から排除されて、そして、その排除の理由を個人化するための概念として発達障害というものが非常に活用されているというふうな印象がございます。
その背景に何があるのか、もちろん私、門外漢ではありますが、私の周辺でも観測される事実としてはそういった現象が起きているなというふうな感触を持っています。
○参考人(藤田孝典君) 私の方からは、駒村先生とほぼ同意見ですけれども、国際競争をするということでいえば、やっぱり企業が生き残り策をあらゆる手を取っていく、取っていかざるを得ないという非常に企業にとっては厳しい時代を迎えているんじゃないかというふうに思います。
その企業が、もうこれ禁断とも言えますけれども、手を付けてきたのが人件費、福利厚生費だと私は思っておりますので、なので、いわゆる弱肉強食というんですか、なるべく強くありたい、生き残りたいということを考えれば、そのためにどういう手段を取れば企業体が生き残るのかということを考えたときの手だてだったんじゃないかということで、多くの労働者が低賃金の中に埋没し、一部の企業であれば正社員とかエリートの人たちだけはうまく以前の終身雇用、賃金形態の中に残されていて、なので、格差が非常に広がっていきつつあるかなという、そういった状況かと思っております。
なので、大企業の正社員であっても非常に厳しいし、長時間労働で苦しいし、中小零細も厳しいし、非正規雇用の人たちはなかなか暮らしが成り立たないというんですか、なので、どの労働者の人たちも厳しいという状況にありますので、これ、それぞれの階層で厳しさを解消するための、先ほど社会保障がなかったということがやはり大きな要因だと思いますので、なので、この社会保障を企業に全部委ねてきたと言っていいと思うんですね。なので、この社会保障を、じゃ企業がやらなくなったら、労働者を守らなくなったら誰がするのかということは次の日本を見据える上で重要な視点かというふうには思っております。
○自見はなこ君 それぞれの先生からのお立場の御発言、本当にありがとうございました。熊谷参考人には、貢献原則と必要原則の再分配の話まで及んでいただきまして本当に感謝をしております。
残された時間が僅かでございますので、最後コメントにして締めたいと思います。
私は、この格差社会というものを何とか日本が乗り切っていかなければいけないと思っておりますし、そのための社会の制度づくりというものに対して一議員としてしっかり頑張っていきたいと思っております。
今、私は医療の分野が専門でありますけれども、医療の世界では地域包括ケアというものが今進められております。これに恐らく一番大事になってくるのは、いろんな制度の構築と同時に、その地域の力そのもの、人と人との結び付きそのものが大変大きな意味を見出してくると思っております。失われた二十年は恐らくは分断の歴史であったのかなと思いますけれども、私は、これからは連帯の、人と人が改めてつながり合う時代になっていけたらいいな、そのためのお手伝いを立法府の一員として働けたらいいなという思いで本日は先生方三人のそれぞれの御意見を拝聴させていただきました。
ありがとうございました。