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学生時代から初期研修医まで、切れ目のない医学教育を目指して
概 要
「医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟」にて事務局長を拝命。活動の結果、医学部5、6年生で行える医療行為の法制化について平成28年度の医師法・医療法改正時に「3年以内の立法事実の検討を行うこと」の記載につながった。

医学部は、1~4年次に臨床実習前教育、共用試験の合格を経て5~6年次に臨床実習に参加。6年次の2月に医師国家試験を受験し、医師免許の取得を目指すものです。しかしながら、医学部を6年間かけて卒業しても、卒前の「診療参加型臨床実習(学生が診療チームに参加し、診療業務を分担して診療業務を担う)」が十分(経験が?)でないため、初期臨床研修医として業務を開始した時に臨床に(初めて?)触れるという医師も多く、医療や医学教育の現場からは、卒前臨床実習プログラムの充実を求める声が日増しに高まっています。また、それに合わせて地域医療を担う医師の偏在も大きな社会問題となっています。
未来のあるべき医療提供体制について議論を深めるため、自民党で発足した「医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟」では、私が事務局長として医学部高学年の2年間と研修医の2年間を切れ目なく連携させ、4年間で一般臨床能力の高い医師を養成。さらに将来的には初期臨床研修の2年目に半年程度の地域医療研修義務化を目指すという目標に向けて活動しています。
この議連活動により医学部5、6年生で行える医療行為の法制化について平成28年度の医師法・医療法改正時に「3年以内の立法事実の検討を行うこと」の記載につながりました。また、現在は医学部4年生時にCBTと呼ばれる共用試験(筆記←コンピューター客観試験?)、OSCEと呼ばれる実技試験(診察、医療面接、手技などの客観的臨床能力試験)、医学部卒業後に医師国家試験(筆記)が行われていますが、実はCBTの意義や医師国家試験との関連性が明確ではありません。
例えばCBTは医学知識を問う国家試験と位置づけ、これに合格した学生を「Student Doctor」とし、医学部卒業時に現在のOSCEをより充実させた形での国家試験を行えば、医学部学生は5、6年生時には臨床実習に集中することができ、医学部卒業時に臨床経験のある医師がより多く養成できるのではないでしょうか。
この構想については、医学教育や医療現場の皆様からもご要望・ご意見を頂きながら、現在、関係省庁のなかで議論が進められているところです。地域医療を担う医師の偏在解消も含め、医師の養成課程をよりよいものにするべく、力を尽くして参ります。
関連資料
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医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟.pdf