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参議院厚生労働委員会で初質問しました。

平成28年11月8日、参議院厚労委員会で初質問させていただきました。 質疑時間は30分で、以下の7問の質疑を大臣等に行いました。


1、議員立法で制定を目指している「成育基本法」の理念に照らして、妊娠期から次世代の子どもを育てる成人までの保健と医療を切れ目なく支援することについて


2、虐待の根底にある社会的な要因に目を向け、対策を考えていくことについて


3、医師のキャリアデザインに関して、医学部教育、初期研修、専門医の仕組みを見据えて省庁間で横断的に連携して進めていくことに関しての取り組みについて


4、日本の受動喫煙防止対策が世界と比較して現在どのような水準にあるのかについて


5、予防接種ワクチンの製品の容器の被包に付される表示等について、有効期限年月日、検品合格年月日、製造番号の表示等の不統一の現況改善或いは十分な注意喚起を促す表示改善に向けた取り組みについて


6、医療現場と医学研究に関わる改正個人情報保護法の運用について


7、医療職の男女共同参画、働き方の横断的な取り組みについての都道府県医療勤務環境改善センターが果たしている役割と今後の方向性について


詳細は以下をご覧ください。





<以下全文>


○自見はなこ君 本日、質問の機会を与えていただきました自見はなこです。どうぞよろしくお願いをいたします。 私は、今年七月にいただきました立法府での一員という立場、また、選任いただきました厚生労働委員という立場に大変大きな責任を感じているところであります。小児科医として診療に当たりつつ、子供たちの健やかな成長と発達を真ん中に置いた社会づくりに関わりたいという思いにつき動かされ、一年半の全国行脚の中で、医療、介護、福祉の現場を中心に日本を四周から五周させていただきました。

地域社会は、人口減少と人口の偏在、加えての産業空洞化や医療人材などの人材の不足により疲弊しております。そのような地域格差や若年層の低所得化の現状を目の当たりにする機会を多くいただく中で、国民皆保険を始めとした社会保障は、この国の安心を底支えしている、社会保障を根底から支えているセーフティーネットとして機能しており、これを持続可能な、継続可能な形で次の世代に渡していかなければいけないという思いでおります。

さて、政府は、平成二十八年六月三日に制定、施行された児童福祉法の一部を改正する法案の第一条において、子供の目線に立ち、子供の権利を明記してくださいました。このことの意義は大変大きいと感じております。

これを受けて、現在、厚生労働省では、平成三十二年度末をめどに全国的に展開していくことを目標としている子育て世代包括支援センターにおいて、行政側の妊娠、出産、子育て支援の窓口を自治体単位で母親又は父親が利用する際に包括的に提供しようという取組をしてくださっています。これらは、親と、ひいては子供の健やかな成長、発達にも大きく寄与するものでありますが、そこに更に良質な保健、医療の総合的な支援を提供していくことの必要性も同時に高まっていると感じております。

近年、子供たちを取り巻く疾病構造が変化してきています。予防接種の充実による感染症の減少、気管支ぜんそくガイドラインの変化による重症ぜんそく児の減少などの一方で、慢性疾患、先天性疾患の割合の増加、自閉症スペクトラム障害等の発達障害例の増加、重症児の在宅医療等の増加、心理的関わりが必要な例の増加などにより、患児の質の変化にもつながっているところであります。

以上のような背景から、全国の小児科医、産婦人科医や歯科医師、子供の保健と医療に関係してくださっている看護師、助産師、保健師を始めとする様々な皆様の声を発端として、妊娠期から次の世代を育むようになる成人期までをワンサイクルとして捉え、保健と医療の観点から切れ目なく支援をしていくことを成育基本法という名の議員立法として成立させたいという機運も更に高まっているところであります。

そこで、塩崎厚労大臣にお尋ねをいたします。 子供の目線を真ん中に置き、妊娠期から次世代の子供を育てる若年成人までを保健と医療の観点からも切れ目なく支援することに対してのお考えを凝縮してお聞かせください。


○国務大臣(塩崎恭久君) 今御質問いただきましたが、子供の目線で子育て支援施策を捉えて、妊娠期から次世代の子供を育てる若年成人までの生育過程全体を切れ目なく支援をするという視点は大変重要だというふうに思っております。

今、議員立法の話がありましたけれども、この成育基本法案についてもこうした考え方に立って議論が進められているというふうに承知をしておりまして、自民党内において議論が進み、今骨子が大体まとまったというふうに聞いているところであります。

政府としては、さきの通常国会に、今お触れをいただいた児童福祉法等の一部を改正する法律案、これ提出いたしまして成立を既にしているわけでございますけれども、この改正法におきまして、全ての子供は適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立等を保障される権利を有するということを法律上明確に規定をいたしました。

そして、保健、医療、福祉に関する機関との連絡調整等を行って、妊娠期から子育て期にわたる支援を切れ目なく提供する、この子育て世代包括支援センター、これを法律上、この法律の中に位置付け、平成三十二年度末までの全国展開を目指して取り組んでおります。今後とも、こうした取組を通じて、子供の視点に立って切れ目のない支援を進めてまいらなければならないというふうに考えております。


○自見はなこ君 力強いお言葉、誠にありがとうございます。 次の質問に移ります。

私は、社会医学、公衆衛生という学問の分野が、これからの厳しい社会保障情勢を迎える日本にとって真に必要な施策が何かということを明らかにし、大きな恩恵をもたらしてくれると思っております。現在の世界医師会の会長はイギリスのサー・マイケル・マーモット会長です。サー・マイケル・マーモット会長は、長年にわたり現行の社会格差に関する疫学研究を率先して行ってきた方です。サー・マイケル・マーモット会長はその疫学研究の中で、子供時代の貧困格差や教育格差が将来の健康格差にもつながる、健康のありようが社会的な要因、例えば人種、世帯の所得、教育程度、犯罪歴などにも関わっているということを分析、見える化してこられました。「社会格差という病」という著書も出版され、格差が拡大する社会の在り方そのものにも、またその中で、特に子供を取り巻く環境にも警鐘を鳴らしてくださっているところであります。

さて、日本では、子供の虐待についてその取組が強化されてまいりました。今年五月には改正児童福祉法と改正児童虐待防止法が成立し、児童相談所に専門職の配置が義務付けられる等、個々のケースにより深く関係者が連携し、関わってくださるような整備が進んでまいりました。この間に推進に携わってくださった皆様には感謝の念に堪えません。

その中で、現在の取組では、死亡例や重症例の虐待に関しては詳細な報告を国へ行う仕組みとなっておりますが、それ以外は、各都道府県の児童相談所の相談件数の総数は国へと報告されますが、社会的な背景までは報告されていません。

さきに示したサー・マイケル・マーモット会長が提唱している疫学的、社会医学的な観点からこの虐待というものを見たときには、次の世代への対策にまでつながるような情報収集の仕組みを内在していただき、それを学問的にも活用し、児童虐待の考察を国家としてしていくことには深い意義があると思っております。

長年にわたり、そして、特に子供のことに関して御尽力をしてくださっている古屋副大臣にお尋ねをいたします。

児童虐待に関しまして、所得の層や教育の程度や一人親かなどの家庭の背景、加えて、乳幼児健診やワクチン接種歴や歯科健診を含めた基本的な医療へのアクセスがされているかなどの匿名化された情報を客観的な現状把握の指標として国が把握することは極めて有益だと感じています。そこで、虐待の根底にある社会的な要因に目を向け、社会全体で対策を考えていくことについてのお考えをお聞かせください。


○副大臣(古屋範子君) お答えいたします。 児童虐待防止対策につきましては、さきの通常国会におきまして児童福祉法等の改正を行って、虐待の発生予防から自立支援まで一連の対策の更なる強化等を図るため、児童福祉法の理念を明確化するとともに、子育て世代包括支援センターの全国展開、市町村及び児童相談所の体制の強化、里親委託の推進等の所要の措置を講じたところであります。

今回の法改正によりまして、これを実効あるものにするためには、児童虐待の問題を社会全体の問題として捉え、虐待事例についてその情報を一元的に収集し、虐待に至る背景やリスク要因を分析して対策を講じていくことは大変重要と考えております。私もマーモット会長との懇談に参加をさせていただき、自見委員と問題意識は共通をしております。

厚生労働省では、これまで虐待による死亡事例や重症事例の背景、要因等を分析、検証し、問題点や課題を明らかにするとともに、今後の改善策を講じるため、児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会を設置し、これまで十二次にわたって報告を取りまとめ、地方自治体及び国に対する提言を踏まえて政策に反映をしてまいりました。今年三月に取りまとめられました新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の報告においては、死亡事例や重症事例にとどまらず、制度や施策を進めていくためには適切なデータを集める必要があり、データベースの構築を検討する必要がある旨の提言をいただいております。

今後、虐待事例の情報収集や分析を進めるために必要な調査研究を行ってまいりたいと考えております。


○自見はなこ君 貴重な御発言、誠にありがとうございます。 次の話題に移ります。

専門医の仕組みについては、現在、一般社団法人専門医機構で、吉村理事長による体制の下で、その構築に関しての議論が盛んに行われております。今回の専門医の仕組みの制度設計が、今後の医学や臨床研究の在り方はもとより、国民への医療提供体制そのものにも少なからず影響を及ぼしてまいります。

加えて、忘れてならないのは、プロフェッショナルオートノミーの精神の下でその構築が行われつつも、同時に、その事の大きさから、社会的な説明責任も生じてまいるということでございます。議論を深めるに当たり、関係各位とよく連携し、意思の疎通を図り、適宜その検討事項を広く、医学界、医療界はもとより、重要なステークホルダーである国民や自治体や、新しい仕組みで専門医研修を受けることになるであろう当事者ともよく共有し、多くの声に耳を傾けてほしいと関心高く見守っているところであります。

さらに、医師のキャリアデザインは生涯教育まで含みます。日本の医師養成の仕組みは、専門性を若いうちに高めた後に、さらに、ジェネラルを深め、勤務や開業などを通してかかりつけ医としての役割を担い、地域にもより深く関わってまいりました。これらの医師の成長過程で、日本では、キャリアを重ねた大変質の高い勤務医や開業医による臨床研究など、医療の役割を深めつつも医学の探求もできるという、患者様にとっても医学の貢献にとってもリッチな側面を熟成してまいりました。

一方で、海外に目を向けると、イギリスやフランスでは、卒業時の成績により専門医と家庭医が分けられ、その後、交じることがありません。現在のイギリスの家庭医の取組の一つは、家庭医に専門性を付けさせることとも言われております。それぞれの国で医療制度の課題に直面し、そして真摯に取り組んでいるところであります。

諸外国の医師のキャリアデザインの制度をよく比較し、そこに日本の文化と風土を加味し、制度設計をしていく必要があると思いますし、特に、日本の質の高い地域医療の堅持のためには、専門医の仕組みの内科に関わる基本領域の運用の仕方に関しても注意深く見守っていく必要があると思っております。

さて、新医師臨床研修制度が始まる前までは、専門研修はできるが一般的な研修が不十分であるという課題が一部でありましたが、この制度の導入により、ジェネラルの研修という意味では一定の成果が上げられてきたと思います。ただ、平成十六年の新医師臨床研修制度導入以降に医学部での病棟実習の時間が増えました。以前は初期研修になってからしか行えなかった病棟での臨床経験のある一定の部分が、医学部四年生終了時に受けるCBT、OSCEと言われる共用試験の導入で、医学部生であっても行えるようになってきたからです。

医学部教育は文科省、初期研修は厚労省、専門医研修は専門医機構が所管であります。新医師臨床研修制度の運用開始から五年後の見直しを経て現在の形となっておりますが、専門医の仕組みの立ち上げの時期に当たる今こそ、医学部研修、医学部教育、初期研修、専門医研修をシームレスに、横断的にキャリアデザインを議論してほしいという現場からの声が高まっているところです。実際に、日本医学教育学会の中にも医学教育の一貫性委員会が設立され、そして、全国医学部長病院長会議の新井会長も、卒前卒後の一貫した教育の必要性を訴えておられます。 厚労省と文科省にお尋ねをいたします。

医師のキャリアデザインに関して、医学部教育、初期研修、専門医の仕組みを見据えて省庁間で横断的に連携して進めていくことに関して現在どのように取り組んでいますか、お答えください。


○政府参考人(神田裕二君) 医師がキャリアデザインを描くに当たりましては、文部科学省が教育の内容のガイドラインを定めております医学教育、それから厚生労働省が研修の到達目標を定めております臨床研修、それから日本専門医機構と学会が研修プログラムを定めることとなります専門医の研修などの一連の医師養成課程について、教育の内容や医師として目指す姿が整合していることが重要であるというふうに考えております。

このため、文部科学省の教育内容のガイドラインに関する有識者会議や厚生労働省の臨床研修に関する有識者会議において、文部科学省と厚生労働省が共に参画してそれぞれの教育内容の整合性が図られるように連携を進めてきているところであります。厚生労働省としても今後の医療提供体制を見据えまして、これに対応した医師の養成について、専門医も含め、一連の医師養成課程が整合的なものとなりますよう、引き続き、文部科学省や専門医について関わります日本専門医機構、それから生涯教育に関わります医師会などとも緊密に連携してまいりたいというふうに考えております。


○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。

社会の期待に応える医師を養成するためには、御指摘のように、関連する医学教育と初期研修、それから専門医の研修が横断的に連携され、医師としての目指すべき姿、すなわちキャリアデザインが整合しているということが大変重要であると認識しております。

文部科学省におきましては、今御指摘ありましたように、医学教育と卒後教育の一貫性確保を目指して、今年の三月から医学教育の指針となります医学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂の検討を開始したところでございます。検討を行う有識者会議には厚生労働省も参加いただいて議論をしているところでございます。また、厚生労働省の臨床研修に関する会議においても文部科学省が出席させていただきまして、モデル・コア・カリキュラムの改訂の方向性を説明するなどして、医学教育との整合性が取れるように検討に参画しているところでございます。

具体的には、文部科学省、厚生労働省、両会議を通じまして、医師のキャリアデザインの根幹となります医師として求められる基本的な資質と能力について重点的に協議を行っておりまして、文部科学省の会議におきましては今年度中に新たなモデル・コア・カリキュラムが示される予定でございます。その際には、大学だけでなく、広く周知を図るとともに、厚生労働省、医師会とも連携させていただきまして、医学教育と卒後教育の一貫性が見えるように取り組んでまいりたいと存じます。


○自見はなこ君 ありがとうございます。

伺いますと、省庁間の間にも、そして我々医療従事者の現場の間にも同じ枠組みで議論する場の必要性をお互いに感じているということでございますので、是非、例えば両省で合同で委員会を開催するなど目に見える形の取組を要望させていただき、この質問を終わります。 さて、次の質問に移ります。

たばこによる健康被害は計り知れないものがあります。数百を超える化学物質に発がん物質や発がん促進物質が含まれ、一酸化炭素には動脈硬化を促進させる作用もあります。また、たばこのないオリンピック・パラリンピックを推進することは、国際的な約束でもあります。 厚労省にお伺いをいたします。

日本の受動喫煙防止対策を世界と比較して現在どのような状態であると受け止めておられますか。また、現在、厚労省のホームページ上で公表されている受動喫煙防止対策の強化についてのたたき台にある対策を満たした場合には、世界水準と比較してどのような状態になりますか、お答えください。


○政府参考人(福島靖正君)

二〇一五年に出されましたWHOの報告で、飲食店、医療機関等の八つの施設類型の公共の場所における受動喫煙防止対策の法的、法令上の措置についての報告が出ておりますけれども、日本の受動喫煙防止対策についてはこういう、その八類型、公共の場所についての屋内禁煙を義務とする法令上の措置がなく、世界でも最低レベルというふうに判定をされております。

近年、全てのオリンピック・パラリンピックの開催地、開催予定地では罰則を伴う受動喫煙防止対策が法令上の措置が講じられておりまして、具体的には、例えばイギリスでは全ての施設で建物内禁煙となっております。また、韓国では、原則建物内禁煙でありますけれども、一部の例外を除いて喫煙室の設置が認められているというものでございます。

先日お示しいたしましたその受動喫煙防止対策の強化についての私どものたたき台、提案でございますけれども、これはイギリスと韓国の混合型といいますか、その中間という形になっているというふうに考えております。


○自見はなこ君 ありがとうございます。より力強く進めていってくださることを切に願っております。ありがとうございました。

次の質問に移ります。

ワクチンの臨床現場に関することについてお尋ねをいたします。配付している資料を参考にしてください。 現在、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会での取組を踏まえつつ、予防接種基本方針部会において、予防接種に関する基本的な計画に基づくPDCAサイクルによる定期的な検証が進められていることと認識をしております。

このPDCAサイクルを回す中で、日本小児科学会が要望を出した生ワクチン以外の異なる不活化ワクチンは六日以上の接種間隔を空けるように言われていることについて、科学的理由が見当たらないことなどから、これらの接種間隔の制限をしないことや、その他ワクチンの安定供給をめぐる問題、複数のワクチンを一つにまとめた混合ワクチンについての各種法律との整合性の整理や開発促進などの課題についても是非検討を重ねてほしいと思っているところであります。 その中で、ワクチンの臨床現場について、小さなことではございますが、厚生労働省にお尋ねをいたします。

お手元の資料にあるとおりでございますが、現行ではワクチンの製品の箱や包まれている容器に検定をされました合格年月日、製造番号、そして最終有効年月日の三つが記載をされていますが、その順番がまちまちでありまして、ワクチンを管理する医療機関等において管理に手間が掛かることや、時にインシデントにつながりやすいとの声をいただいております。 この現状の中、注意喚起を促す表示の改善に向けた取組についてのお考えをお聞かせください。お願いいたします。


○政府参考人(武田俊彦君) ワクチン等の生物由来の原料から作られた医薬品につきましては、医薬品医療機器法等に基づきまして、これまでも有効期限年月日、製造番号などの表示を求めていたところでございますけれども、平成二十五年七月から、国家検定合格済みの製品であることを示す検定合格年月日を容器又は外箱に表示させているものでございます。 この有効期限年月日と検定合格年月日の表示がメーカーによって異なることにより見間違いなどを招くおそれがあるという臨床現場からの御指摘があることについては、私どもとしても承知をしているところでございます。それぞれの目的があって表示をしているものではございますが、御指摘も踏まえまして、今後、医療現場の声を聞きながら表示方法の改善に向けて検討してまいりたいというふうに考えております。


○自見はなこ君 是非よろしく御検討のほどお願いを申し上げます。

それでは、次の質問に移ります。 今回、二〇一五年九月に個人情報保護法が改定をされました。そして、平成二十八年一月に新設された個人情報保護委員会により、個人情報保護指針の作成や届出、公表などの規定の整備等が行われるようになっております。全分野に共通に適用される汎用的なガイドラインの案が公表され、十一月二日にそのパブリックコメントの受付が終了したところであります。医療分野における個人情報の取扱いについては、別途規律が示される予定です。

また、医学研究に関する活動としては、人を対象とする医学研究に関する倫理指針が適用されることとなり、文科省、厚労省、経産省の三省合同会議で取りまとめられた指針改正案が、十月二十一日でパブリックコメントが終了したところでございます。これら、まず医療に関する活動においては、改正された個人情報保護法に関しては、臨床現場での混乱を来すことのないような運用を求める声が上がっているところであります。

また、医学研究に関する活動に関しては、倫理指針の運用いかんによっては疾病登録のための疫学研究や長期追跡調査等に支障が出ることが懸念されております。 そこで、個人情報保護委員会と厚生労働省にお尋ねをいたします。 改正個人情報保護法の運用により、病歴が要配慮個人情報に含まれること等により現場で影響が出ないか懸念をされています。現在どのような方向で取り組んでいるのか、お答えください。


○政府参考人(其田真理君) お答え申し上げます。

先生御指摘のとおり、改正個人情報保護法の施行によりまして、病歴など特に慎重な取扱いが求められる個人情報は要配慮個人情報として位置付けられまして、取得や第三者提供について原則本人の同意を必要とする制度が導入されます。

まず、疫学研究につきましては、学術研究機関による学術研究目的に該当いたしますので、従来と同様に、改正個人情報保護法においても適用除外となります。こうした分野につきましては、先生からも御指摘がございましたように、関係各省において研究に関する指針が定められておりますが、そこで適切に対応されるように考えておりますが、委員会としても必要に応じて御協力してまいりたいと思います。

また、臨床現場での個人情報の取扱いにつきましては、現在、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインにおいて定められておりますけれども、従来どおりの円滑な対応が可能となるように、医療関係の方々の御意見を伺いつつ、厚生労働省と連携してガイドラインをお示ししてまいりたいと思います。

いずれにいたしましても、改正個人情報保護法の下でも、疫学研究や臨床の現場が混乱することのないよう、厚生労働省としっかり連携して対応してまいりたいと思います。


○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘の病歴が要配慮個人情報となった場合の影響についてでございますが、まず医学研究につきましては、改正個人情報保護法の施行に向けまして、今年度中を目途に、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針の見直しを行う予定としております。

改正個人情報保護法の解釈と医学研究の実態について整合性が取れるよう、今後、個人情報保護委員会とよく連携し、例えば、公衆衛生の向上のために特に必要がある場合であって本人の同意を得ることが困難であるときという第三者提供についての例外規定の活用などを含めまして、医学研究を実施する際の病歴を含む個人情報の取扱い等の詳細を明らかにしていきたいというふうに考えております。

また、臨床現場における個人情報の取扱いについては、先ほど答弁ございましたように、個人情報保護委員会において、全ての分野に共通して適用される汎用的なガイドラインを定めるということと併せまして、医療分野の特性を踏まえたガイドラインを作成する方向であると承知しております。厚生労働省としても、個人情報保護委員会と連携協力してまいりたいというふうに考えております。

厚生労働省としては、個人情報の保護に配慮しつつ、医学研究や臨床の現場で混乱が生ずることのないよう、医療関係団体の御意見も十分に伺いつつ、個人情報保護委員会等と連携して適切に対応してまいりたいと考えております。


○自見はなこ君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 現在、医療従事者の中で働き方改革の必要性が叫ばれておりますが、特に医療従事者は女性の占める割合が年齢が若いほど多い傾向にありますが、介護、出産、育児などのライフイベントを経ても、心身共に充実し、健康で過ごしつつ、同時に医療職としてのプロフェッショナリティーを保った上でのキャリアデザインも重ねつつの両にらみの視点が勤務環境の整備には何よりも必要と考えております。 そこで、厚生労働省にお尋ねをいたします。

勤務環境の中で、医療職の男女共同参画、働き方の横断的な取組についての都道府県医療勤務環境改善センターが果たしている役割と今後の方向性についてお答えください。


○副大臣(古屋範子君) 医療従事者の勤務環境改善につきましては、平成二十六年十月施行の改正医療法に基づきまして、各都道府県に設置された医療勤務環境改善支援センターにおいて、医療機関に対して専門的なアドバイザーにより、勤務環境改善のための助言、相談、好事例の周知などの支援を行っております。

このようなセンターからの助言等を踏まえまして、各医療機関においては、例えば、時間外労働の削減や短時間勤務制度など多様な勤務体系の整備、院内保育所の整備といった働き方の改善や、育児、介護との両立支援などの取組を講じているところでございます。

医療勤務環境改善支援センターにおける今後の取組の方向性としましては、現在四十五都道府県で設置をされているセンターの全都道府県での速やかな設置とアドバイザーの質の均てん化が重要と考えておりまして、各医療機関の勤務環境改善への取組を更に支援してまいりたいと思います。


○自見はなこ君 誠にありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。 これで私の質問を終わります。

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